小児矯正の一期治療と二期治療ってなに?治療目的や使用装置の違いを解説
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「小児矯正の一期と二期ってなに?複雑で分かりにくい…」

「小児矯正の一期と二期で費用負担が少ない方はどっち?」

このような疑問を抱えていませんか?大人の矯正治療と違って、成長が著しい子どもの矯正治療は、成長の段階ごとに治療法が異なります。そのため、少し分かりにくく、混乱してしまう方も少なくありません。

そこで、当記事では以下の内容を解説いたします。

  • 子どもの矯正には一期治療と二期治療の2種類あります
  • 一期治療と二期治療で使用する装置を比較
  • 費用負担が少ないのはどっち?一期治療と二期治療の治療費を比較

記事の後半では、一期治療と二期治療のどちらの方が費用負担が少ないかについて解説します。一期治療と二期治療を両方受ける場合は治療費が二重にかかるのかなどを詳しく解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

「そもそも小児矯正ってなに?」という方は、まずは小児矯正について解説しているこちらのページをご覧ください。>>小児矯正とは

【この記事の執筆と監修者】

こうつ歯科・矯正歯科 (大阪府吹田市)理事長
CiAO マウスピース矯正勉強会 代表(歯科医師向け)
インビザライン プラチナプロバイダー

高津 充雄(歯科医師)(こうつ みつお)

歯ならびで後悔する人をなくしたいという想いで、 歯列矯正を安全に行うための知識を発信しています! 矯正治療では歯ならびを綺麗にするだけではなく、口元まで美しく整えることを心がけています。 可愛く・格好良くなっていただけるように、精密な診断とシミュレーションを活用して治療を行います。

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子どもの矯正治療には一期治療と二期治療の2種類あります

子どもの矯正治療には一期治療と二期治療の2種類あります

子どもが受ける矯正治療(小児矯正)は、少し複雑です。なぜなら、小児矯正は2種類あるからです。子どもと一口に言っても、乳幼児期、学童期、そして青年期など、さまざまな成長段階に分かれていますよね。そのため、矯正治療も成長段階に合った治療法が用意されているのです。

具体的には、以下の2種類に分かれます。

  • 一期治療(早期治療)
  • 二期治療

耳慣れない専門用語なので、混乱してしまう親御さんも少なくありません。しかし、お子さまの矯正治療を検討する際には必要になる知識でもあります。そこで、一期治療と二期治療について、歯科の知識がない方でも理解しやすいよう、治療の目的やおおよその治療期間を以下で丁寧に解説します。早速見ていきましょう。

一期治療(早期治療)の役割:永久歯を綺麗に並べる準備を行う

一期治療とは、4歳~12歳頃までに開始する矯正治療です。早期治療とも呼びます。乳歯と永久歯が混在している時期に治療を開始することが特徴です。

一期治療の目的は、歯の土台になるあごの骨(歯槽骨)の成長を促したり、抑制したりとコントロールすることです。つまり、永久歯を綺麗に並べる準備をするのですね。永久歯の本数は、上あご・下あごそれぞれ14本~16本。永久歯に生え変わる前に、14本~16本すべての歯を並べられる土台(あごの骨)を用意しておくことができれば、ガタガタな歯並びを回避しやすくなります。一方で、あごの骨が小さいまま永久歯をお迎えすると、複数の歯が重なり合ってしまう可能性が高くなります。

そうならないために、一期治療ではあごの適切な成長を促していくのですね。具体的には、拡大床と呼ばれる矯正器具などを用いてあごを正常な幅まで拡げていきます。

一期治療の治療期間はお子さまのあごの骨の状態に左右されますが、約2年~4年程度を見越しています。精密検査を行った後であれば、どれくらいの治療期間がかかりそうか、おおよその予測をお伝えすることも可能です。

二期治療の役割:最終的な噛み合わせを整える

一方で、二期治療は、12歳以降(小学校高学年以降)に開始する矯正治療を指します。一期治療との大きな違いは、永久歯が生えそろった後に治療を始めるということです。

二期治療の目的は一般的な歯列矯正と同様に、生えそろった永久歯を綺麗に並べ、最終的な噛み合わせを整えることです。一期治療と異なり、あご骨の成長を利用した矯正治療はできません。しかし、小学校高学年~中高生の時期は、あご骨(歯槽骨)の代謝が活発であるため、大人と比べて歯が動きやすいです。

二期治療の治療期間は症例によって異なりますが、早くて1年~長くて3年ほどを見越しています。先に一期治療を行った場合は、永久歯を並べる土台(歯槽骨)の準備が整っているため、二期治療の期間が短縮されるケースも多いです。

小児矯正の一期治療と二期治療について詳しく記載している記事もあるので、ぜひ併せてご覧ください。

一期治療と二期治療で使用する装置を比較

一期治療と二期治療で使用する装置を比較

一期治療と二期治療は、治療の目的が全く違うと解説しました。そのため、当然使用する装置も異なります。そこで、ここからは、それぞれの治療に使用する装置について解説します。

治療中の見た目が気になるのは、大人も子どもも同じです。治療を始める前に、どのような装置を装着して生活することになるのか知りたい方が多いでしょう。それぞれの治療でよく使用される装置を一挙に紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。

一期治療で使用する代表的な4つの装置

一期治療で使用する代表的な装置は、以下4点です。

  • プレート(拡大床)
  • 急速拡大装置
  • プレオルソ
  • インビザライン・ファースト

上記4点の装置について、以下でそれぞれ詳しく解説するので早速見ていきましょう。

プレート(拡大床)

プレート(拡大床)

プレート(拡大床)は、上あごや下あごを拡大する装置で、永久歯を並べるスペースを確保するために使用されます。取り外し可能で、1日12時間~15時間程度の装着で済みます。装置中央のネジを約1週間に1度回し、装置の幅を段階的に広げることで、少しずつ外側へあごを拡大することが可能です。

装置を取り外せることで、口腔内を清潔に保ちやすいというメリットがあります。しかし、その反面、1日の装着時間を守らないと治療効果が得られない可能性もあるので注意してください。治療期間の目安は、約1年です。

急速拡大装置

急速拡大装置

急速拡大装置とは、上あごの横幅を拡大するために使用される上あご専用の装置です。急速という名前の通り、2週間~2ヶ月程度で上あごを拡大することができます。

上記の画像の中央をご覧ください。この中央の部分を拡大ネジと呼ぶのですが、この拡大ネジを調整することで、約1kg程度の力で上あごを横に押し拡げることができます。

固定式で、お子さま自身で装置を取り外すことはできません。そのため、親御さんの見えないところでお子さまが勝手に装置を外して、治療効果が得られないということもないので安心してください。

プレオルソ

プレオルソ

一期治療で、指しゃぶりや口呼吸などの口腔習癖を改善する必要があるお子さまは、プレオルソ装置を使用することもあります。プレオルソは、4歳~7歳が装着する上あごと下あごが一体化したマウスピース型矯正装置です。

上あごと下あごが一体化しているため、装着中は口が閉じた状態をキープできます。その結果、無意識下での指しゃぶりや口呼吸を防げるため、口腔習癖の改善に非常に効果的です。

装着時間についても、就寝中と起きている間の1時間のみなので、お子さまへの負担も少なく気軽に取り組めます。

プレオルソ治療について詳しく知りたい方は、こちらのページをご覧ください。>>プレオルソとは

インビザライン・ファースト

インビザライン・ファースト

近年、存在感を増しているマウスピース型矯正の一種であるインビザライン。そのお子さま版が、インビザライン・ファーストです。お子さまに第一大臼歯(奥歯)があって、第一大臼歯と前歯が2/3以上出ていれば、インビザライン・ファーストの適用条件を満たします。

装着するマウスピース(アライナー)は、透明で薄いプラスチックでできているため、目立ちません。それどころか、お子さまの目には近未来の道具のように映り、アライナーをかっこいいと思う子も少なくないのです。そして、矯正治療に協力的になってくれれば、良い治療効果を得ることができます。

インビザライン・ファーストの通院頻度は、1ヶ月~2ヶ月に1回で済みます。そのため、歯医者嫌いで、歯医者に行きたがらないお子さまも挑戦しやすいです。

インビザライン・ファーストについて詳しく記載している記事もあるので、ぜひ併せてご覧ください。>>インビザライン・ファースト

二期治療で使用する代表的な2つの装置

二期治療で使用する代表的な装置は、以下2点です。

  • マルチブラケット装置(ワイヤー矯正装置)
  • インビザライン

上記2点の装置について、以下でそれぞれ詳しく解説するので早速見ていきましょう。

マルチブラケット装置(ワイヤー矯正装置)

マルチブラケット装置(ワイヤー矯正装置)

マルチブラケット装置(ワイヤー矯正装置)は、皆さまもイメージがすぐ湧くと思います。ブラケット(ワイヤー装置)を歯の表面に装着して歯を動かす治療法です。ワイヤーのしなりを利用することで、動かしたい位置へと歯を移動させることができます。

ワイヤー矯正のメリットは、対応症例が幅広いことです。歯を大きく動かすことに長けているため、叢生(ガタガタな歯並び)などの症例に向いています。

ワイヤー矯正の詳しいメリット・デメリットについて詳しく記載している記事もあるので、ぜひ併せてご覧ください。

インビザライン

インビザライン

上記で幼少期のお子さまが使用するインビザライン・ファーストについて解説しましたが、二期治療から始めるお子さま(中高生)は、大人と同じ一般的なインビザラインを使用できます。

インビザライン・ファーストと同様に、透明で薄いプラスチックで作製されたアライナーは目立ちにくく、思春期のお子さまに見た目へのストレスを与えにくいです。

インビザラインは、歯を少量ずつ着実に動かしていく特徴があるため、痛みを感じにくい治療法でもあります。さらに、お子さまの骨の代謝が活発で歯が動きやすい特徴も合わさるので、身体的負担が非常に少ないです。

インビザラインについてさらに詳しく知りたいという方は、まずはこちらのページをご覧ください。>>インビザラインとは

当院は、インビザライン治療の多数の実績を有しています。お子さまから大人の方まで、患者さま個人の症例に最適化した治療を展開しているので、ぜひ下記よりお気軽にお問い合わせください。

費用負担が少ないのはどっち?一期治療と二期治療の治療費を比較

費用負担が少ないのはどっち?一期治療と二期治療の治療費を比較

小児矯正は基本的に保険適用外です。そのため、治療費に不安を抱えていらっしゃる親御さんも少なくないでしょう。そこで、ここでは一期治療と二期治療の治療費について解説します。

一期治療と二期治療のおおよその治療費は、以下の通りです。

  • 一期治療:30万~40万円
  • 二期治療:70万~90万円

一期治療の方が、二期治療より随分と安いことが分かります。しかし、注意して頂きたいのが、一期治療のみで矯正治療が完了するお子さまは少ないということです。つまり、一期治療費を支払った後に二期治療費も支払うケースが多いのです。

ただ、一期治療から二期治療に移行したとしても、費用が二重にかかることはないので安心してください。例えば、一期治療で既に40万円を支払っている場合、二期治療に移行した際に支払う金額は、定価の二期治療費から一期治療費で既に支払った金額を差し引いた料金になります。計算式は、以下の通りです。

二期治療で支払う金額 = 90万円(二期治療費の定価) ‐ 40万円(一期治療費の定価) = 50万円

一期治療を受けずに、二期治療から開始する方は、そのまま70万円~90万円を支払うことになります。

このように聞くと「一期治療を受けても、費用面ではメリットがないのでは…?」と思われるかもしれませんね。しかし、そのようなこともないのです。例えば、下顎前突(受け口やしゃくれ)などのあご骨の矯正が必要になる症例では、一期治療を受けておくことで、二期治療の際に外科手術を受けなくて済む可能性が高くなります。つまり、早期治療をしたおかげで、外科手術費を節約できるということです。

まとめ:一期治療と二期治療では治療目的が異なる!早めの矯正相談で適切な小児矯正を

まとめ:一期治療と二期治療では治療目的が異なる!早めの矯正相談で適切な小児矯正を!

当記事では、小児矯正の種類である一期治療と二期治療について解説しました。一期治療と二期治療は治療目的が大きく異なります。

一期治療の目的は、永久歯を並べる土台、つまりあごの骨の成長をコントロールすることです。一方で、二期治療は実際に永久歯を綺麗に並べ、最終的な噛み合わせを調整することを目的とします。

このように治療目的が異なるため、使用する装置も全く違います。治療中の見た目は、非常に気になる点のひとつだと思います。矯正相談にお越しいただければ、見本をお見せすることもできるので、ぜひ積極的に矯正相談をご活用ください。

当院では、小児矯正相談を無料で行っています。分かりにくい小児矯正について易しく解説し、親御さん、そしてお子さまの疑問に親身に答えますので、ぜひ下記よりお気軽にお問い合わせください。

矯正治療で後悔して欲しくない

お子様の歯並びを綺麗にしたいと一大決心して歯列矯正を始めてみたものの、思い描いていたような歯並びや口元にならなかったら、とても辛くて悲しいでしょう。

お子様や親御様が矯正治療で後悔しないように、この記事があなたのお役に立てたらとても嬉しいです。

歯列矯正で後悔しないようにするためには、しっかりと患者様の想いや希望を聞いてくれる歯科医師に出会うことが大切です。

お子様の歯並びや口元をどのようにされたいのか親身に相談に乗り、そしてそのご希望に合うように治療を進めてくれる歯科医師に治療をお願いすれば、後悔のない理想的な歯並びを手に入れることができるでしょう。

私たちが選ばれる 6つの理由

01.矯正相談であなたの想いをお聞きします

まず、しっかりと患者様のお気持ちをお聞きします。歯並びやお口元をどのように気になられているのか、あなたの想いをお聞きします。歯科医師と歯科衛生士が実際にお口の中を拝見し、口腔内写真を撮影し、必要に応じてレントゲンを撮影し今後の治療方針をご説明いたします。貴重なお時間を使って当院にいらっしゃったことを後悔させません。

02.医療コーディネーターがさらにしっかりと想いをお聞きします

せっかく歯並びの相談に来たのに、時間が足らずに納得できるまでお話ができなくては時間の無駄になってしまうかも知れません。

当院では医療コーディネーターが在籍し、歯科医師と歯科衛生士による矯正相談の後にさらにしっかりとお気持ちをお聞きし、お悩みの解決のお手伝いをさせていただきます。

医療コーディネーターまで在籍しているクリニックは中々ございません。歯科医師や歯科衛生士に話しにくい内容もカウンセリングルームでゆっくりとご相談ください


03.マウスピース矯正の講師が行う矯正治療

「矯正治療で後悔する人を一人でも減らしたい」その想いから、私はマウスピース矯正の歯科医師向け勉強会の代表を務めています。
デジタルの知識が必須になるマウスピース矯正特有の知識を、他の歯科医師に広めることが私の使命だと考えております。 もちろん、矯正治療のシミュレーションは全て私高津が作成しますのでご安心しておまかせください。

04.お顔と歯並びを総合的にデジタルで診断

患者様の歯並びを綺麗にして口元を自然な美しさに改善するために、歯を見るだけではなく、お顔と歯並びのバランスを考え、デジタルを駆使して総合的に診断致します。

正面だけでなく、横顔の診断も大切にしています。お口元が出でいる方は、前歯を後ろに移動させると、とても綺麗な口元の印象に変わります。<br>そこに歯科医師の診断の差が出ます。口元が綺麗になると人生が変わります!

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正面だけでなく、横顔の診断も大切にしています。お口元が出でいる方は、前歯を後ろに移動させると、とても綺麗な口元の印象に変わります。
そこに歯科医師の診断の差が出ます。口元が綺麗になると人生が変わります!

05.改善後のイメージを治療開始前にシュミレーション

マウスピース矯正では、治療開始前の精密検査のデータをもとに、3Dの治療計画ソフトウェアを使って、治療開始から治療終了までの歯の動きを3Dシュミレーションで見ることができます。
この3Dシミュレーションを見ていただくことで、患者様も治療の完成予想図のイメージを共有できます。

このように、1本1本の歯がどのように動いていくのか3D 映像を通して実際に見ることができますので、治療中の不安が減り安心に繋がります。
正面だけでなく、横顔の診断も大切にしています。
お口元が出でいる方は、前歯を後ろに移動させると、とても綺麗な口元の印象に変わります。

06.大阪の中心地からお車で20分の好立地

こうつ歯科・矯正歯科は、新大阪からお車で15分、梅田から20分の好立地にあり、北摂エリアを中心に大阪中から患者様が来院されます。
患者様専用の駐車場を6台完備しています。
大阪府外の方も矯正治療のために通院されています。

※レントゲンは保険診療費用をいただきます。正確な治療方針をご説明するためにレントゲン撮影を推奨しています。

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